The answer is there.

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2011年3月 7日

The answer is there.

現場監督補佐役の時、図面を書いていたときのこと。
　

　
　
私は高卒で就職。
　
　
　
設計部に配属され、Autodesk社のautocadに興味を持ち、
　
　
　
ドラフターを使った手書きで図面を起こしていく経験をしないまま
　
　
　
いきなり、パソコンで図面を起こすことを志した。
　
　
　
設計部の部長の横に座り、無口な部長の横で
　
　
　
食い入るようにモニターを見つめたものです。
　
　
　
何も教えては貰えなかった。
　
　
　
今思えば、それが秋好部長の優しさだった。
　
　
　
本物の職人だと。　今、思い返しても　「あの人は凄い」　と心から思えるなぁ。
　
　
　
　
　
　
　
それから数年が経ち、現場監督のサポート役として
　
　
　
現場事務所にパソコンを持ちだし、cadで実際に職人さんが手に取って
　
　
　
仕事を行う図面を書くことになる。
　
　
　
　
　
　
　
朝、職人さん達へ図面を渡したときのこと。
　
　
　
「やっぱり手書きの図面は良い。味が有るし分かりやすい。」
　
　
　
とベテランの職人さんがボソッと一言。
　
　
　
無論、自分がCADで書いた図面では無く、
　
　
　
当時の現場最高責任者（谷川部長）が書いた図面だった。
　
　
　
　
　
　
　
自分はおこがましくも、その図面に少し嫉妬していた。
　
　
　
当時は図面を手渡して、とにかく職人さんに仕事を伸ばしてもらうことが、
　
　
　
自分の最優先課題だったので、その部長の書いた図面をしっかり見る
　
　
　
余裕は有りませんでしたが、日曜日、現場事務所に忘れ物をしていて、
　
　
　
事務所に入った。
　
　
　
静まり返った現場事務所。
　
　
　
部長のドラフターにマグネットで止められていた
　
　
　
図面が目にとまった。
　
　
　
薄いトレース用紙に書く図面で、この世に2枚と無い「原図」。
　
　
　
湿度などで伸縮してしまう、とてもデリケートなもの。
　
　
　
同じ大きさの裏紙で覆われて保護されていた。
　
　
　
　
　
　
マグネットを取って、原図を眺めていた。
　
　
　
確かに。　配管のラインが今で言う３Dの如く　浮き出ていて、
　
　
　
見易かったのは言うまでも無く、CADでは出せない線の味があった。
　
　
　
うぉ～、凄ぇ。
　
　
　
職人さんの立場で、目線で書かれている寸法入れ。
　
　
　
素晴らしい図面だったことを覚えています。
　
　
　
　
　
　
　
結果は言うまでも無く、早い施工に繋がった。
　
　
　
職人さんのやる気に貢献しているのは結果が物語っていた。
　
　
　
　
　
　
師は近くに居るもの。
　
　
　
師を師と仰げば、身近に様々な師が居るものだと思いました。
　
　
　
当時、最新のCADが出来ることで天狗に成っていた自分の鼻は
　
　
　
見事に　へし折られ、その原図を青焼き（コピー）するときに、
　
　
　
細心の注意を払いながら行うようになりましたね。
　
　
　
　
　
　
　
多分そう。
　
　
　
きっと、そう。
　
　
　
答えは自分の直ぐ傍に有る。
　
　
　
自分の周りで起こること、体験・経験していく中に、
　
　
　
その答えの破片が散りばめられているのだと思う。
　
　
　
その破片を集めれば答えが導ける。
　
　
　
　
　
　
　
破片は、現場に有る。